「俱会一処」という希望~別れの先のつながり

堀亜砂子
堀亜砂子

想いと豊かさを未来へ繋ぐ案内人
相続対策コンサルタント
堀亜砂子です!

「俱会一処」とは?

浄土真宗で大切にされる「俱会一処(ぐえいっしょ)」という言葉をご存じでしょうか?


「俱会一処」とは、
下記のような由来から「みんなが一緒に一つの場所で出会う」という意味で、


俱(ぐ):一緒に、共にという意味。
会(えい):会う、出会うという意味。
一処(いっしょ):一つの場所、同じ所という意味。


仏教では特に阿弥陀仏の浄土で共に再会することを指します。


どんな境遇であっても必ず浄土で再会できる」という希望を示すこの言葉は、
私にとってとても特別な意味を持っています。


実家の仏壇に置かれていた過去帳の表紙に、
この「俱会一処」という言葉が書かれていました。

過去帳とは、家族や先祖、縁ある方々が亡くなった日や名前を記録する帳面で、
多くの仏教徒の家庭で使われています。


そこに刻まれた名前を一つひとつ目で追うと、
過去のつながりが今の自分に確かに受け継がれていることを実感するのです。

浄土真宗では特に「亡くなった人とのつながり」を大切にし、
過去帳を仏壇に置いて日々の供養やお念仏を通じて故人を偲びます。


他の宗派でも、似たような記録や供養のために使われることが多いそうですが、
宗派ごとに過去帳への記載の仕方や使い方に違いがあるようです。


実家にいたころ、仏壇の前で手を合わせるたびに
何気なく過去帳の表紙の「俱会一処」の文字を目にしていましたが、
その意味を深く考えることはありませんでした。


そして母が亡くなり、過去帳を自宅に引き取った今になって
この言葉の重みを改めて実感しています。


父母や恋人、友人や恩師・・・
今はもうこの世を去ったすべての大切な人たちともう直接言葉を交わすことはできなくても、
「また必ず会える場所がある」という希望が、悲しみの中で残された人の心を支え、
前を向く力を与えてくれるのだと思います。

結婚を約束した恋人が若くして亡くなったとき
「彼とまた会うために生きる」と紙に書いていたのを思い出しました。

別れの先のつながり

人生では避けられない別れが訪れることがあります。
俱会一処」という教えは、
別れのその先に希望とつながりがあることをそっと教えてくれているように感じます。
この教えは今を生きる力であり、未来への約束でもあります。

瞼を閉じると目に浮かぶ懐かしい顔・・・
しばらくは会えないけれどまたいつか必ず再会するときに
笑顔でいられるように

一瞬一瞬を大切にし、心を込めて日々を過ごしていきたいと思います。

大切な人との別れに向き合う中で、この言葉が少しでも心の支えとなりますように。
再び会えるその日まで、お互いに与えられた時間を精一杯生き抜いていきましょう。



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この記事を書いた人

堀 亜砂子

堀 亜砂子

税理士・相続対策コンサルタント
~想いと豊かさを未来へ繋ぐ案内人

税理士歴24年、法人・個人含め13,000件以上の相談対応。
個人事務所、ビッグ4税理士法人、外資系事業会社、国税不服審判所、
資産税系税理士法人を経て2023年独立。

将来を約束した恋人が30代で急死、
その後も尊敬する上司の急逝、実母の他界など、
大切な人が突然この世からいなくなる経験を重ねたことから
生前に想いをしっかり伝え合い
その日のためにできる限りの備えをしておくことの
大切さを多くの人に伝えるべく活動しています。