認知症予防と経済的リスクの回避 ~セミナー参加レポート

堀亜砂子
堀亜砂子

想いと豊かさを未来へ繋ぐ案内人
相続対策コンサルタント
堀亜砂子です!

先日、JNDA認知症アドバイザー協会代表 廣瀬豪輝(ごうき)氏が講師を務める
「認知症の予防とその経済的対策」 というテーマのセミナーを受講しました。


認知症アドバイザー協会は、
大脳生理学の権威・久保田競京都大学名誉教授(脳トレで有名な川島隆太教授の師匠!)の監修のもと、
2015年に設立されました。

認知症がもたらす経済的影響

認知症というと、「物忘れ」や「介護が必要になる」といったイメージが強いですが
経済的な影響も非常に大きい ことが今回のセミナーで強調されていました。

💰 個人金融資産2000兆円のうち、65歳以上が1000兆円を保有
 👉認知症による資産凍結の試算額は200兆円、不動産を含めると300~350兆円!
 👉日本のGDP(約609兆円)と比べても無視できない規模


認知症になってしまい、銀行口座が凍結されるなど資産が動かせなくなるケースも頻発しているとのこと。


金融機関のガイドライン(全銀協の指針) では、
銀行や自治体が連携を強化する方向性が示されていますが、
それでも認知症発症後の資産管理は非常に難しいのが現実です。


上記の資料にもあるように銀行などの金融機関は
認知判断能力の低下した顧客との取引においては成年後見制度の利用を推奨するのが基本です。


親族による代理取引には慎重なリスク管理が求められ
本当にやむを得ない場合に限定されるなど、厳格な対応が行われています。


一方で成年後見制度は費用負担などの面で敬遠されることも多いのが現実で
2022年現在で総利用者数は約25万人にとどまるそうです。
「成年後見制度の現状と課題(地域後見推進プロジェクト)」より)



また、後見人の報酬は資産額に応じて決まるため、
資産を減らしたくないというインセンティブ が働きやすい側面もあり
「後見人をつけたが、必要な資産の活用がスムーズにできない」という問題も発生しがちのようです。

認知症とは? 主な種類と特徴

そもそも認知症とは

脳内に異常なたんぱく質が生成、蓄積されたり
脳の血管障害により神経細胞が死滅することなどが原因で脳が委縮を起こし、
物忘れや日常生活や仕事に支障をきたすようになった状態のことをいいます。

さらに、認知症と一口にいってもいくつかのタイプがあるとのこと。
なかでもアルツハイマー型認知症が最も多いそうです。

🧠 アルツハイマー型認知症
記憶障害が顕著で、最近のことから忘れていく。
見当識障害(時間や場所がわからなくなる)、実行機能障害(計画を立てたり手順通りに進めるのが難しくなる)、
失語(言葉が出てこない)、失行(道具の使い方がわからなくなる)などが特徴。

🧠 レビー小体型認知症
見えないものが見える(幻視)、パーキンソン病に似た筋肉の硬直が起こる。

🧠 脳血管性認知症
脳の血管障害によるもので、血流が悪くなり脳の神経細胞が死滅することで発症。

🧠 前頭側頭型認知症
脳の前頭葉や側頭葉が萎縮することで発症する認知症の一種で
比較的若い世代(40~60代)での発症や、感情のコントロールが難しくなる、
性格の変化が見られることなども特徴。

認知症予防の重要性

認知症の発症を防ぐためには予防の知識を広めることが特に重要 であるとセミナーでは強調されていました。


「認知症アドバイザー」という資格のことは正直よく知りませんでしたが
認知症の発症リスクを減らし進行を遅らせるための正しい知識を広める専門家を育成するとのことで
私自身もたいへん興味を持ちました。

認知症予防のためには運動習慣 が非常に効果的で、特に有酸素運動(ランニングなど) が推奨されています。
認知症にかかってしまったらどんどん悪化するだけでよくなることはないし
かかってしまったら大変なことになる、と私自身も悲観的にばかり捉えてしまっていて


日ごろのSNSの発信や、ライブ配信、お話し会などでも「早くしないと大変なことに!」と
焦らせるようなトーンでお伝えすることも多かったことに気づいてハッとしました。


正しい知識を得て、認知症予防のためにできることを少しでも行うことの大切さを強く感じました。

事業承継と認知症対策

事業承継の現場でも
経営者が認知症を発症してしまうと、会社の意思決定がストップしてしまう という大きな問題があります。
株式が凍結されてしまうと、次の世代へスムーズに引き継ぐことができず、
結果として会社の存続に影響を及ぼすこともあります。

だからこそ、
家族信託などの制度を活用する
早めに経営権の移譲を計画する
認知症リスクを考慮した資産管理をする

といった備えが重要になるのです。

まとめ

今回のセミナーは、認知症の正しい理解と、経済的リスクを未然に防ぐことの大切さ
を改めて学ぶ機会となりました。

事業承継や資産管理の観点からも、早めの対策が必要 だと実感しました。

💡 あなたの身近な人は大丈夫ですか?
💡 今できる対策を考えてみませんか?

認知症と向き合うことは、未来の安心をつくること につながります。
今回の学びを生かして、引き続き相続や事業承継のサポートに取り組んでいきたいと思います。




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この記事を書いた人

堀 亜砂子

堀 亜砂子

税理士・相続対策コンサルタント
~想いと豊かさを未来へ繋ぐ案内人

税理士歴24年、法人・個人含め13,000件以上の相談対応。
個人事務所、ビッグ4税理士法人、外資系事業会社、国税不服審判所、
資産税系税理士法人を経て2023年独立。

将来を約束した恋人が30代で急死、
その後も尊敬する上司の急逝、実母の他界など、
大切な人が突然この世からいなくなる経験を重ねたことから
生前に想いをしっかり伝え合い
その日のためにできる限りの備えをしておくことの
大切さを多くの人に伝えるべく活動しています。