
想いと豊かさを未来へ繋ぐ案内人
相続対策コンサルタント
堀亜砂子です!
先日、175分の大作『国宝』(2025年6月6日公開)を劇場で観てきました。
この作品は、任侠の家に生まれた少年が、血筋も後ろ盾もないなかで上方歌舞伎の世界に飛び込み、 時に冷遇され、時に脚光を浴びながら、芸にすべてを賭けて生き抜き、やがて“人間国宝”と称されるまでに至る、ひとりの男の50年を描いた物語です。
原作は吉田修一さん、監督は李相日(リ・サンイル)さん。
『悪人』『怒り』、そして今作『国宝』
同じ原作者と監督のタッグで紡がれた三作は、それぞれ題材も時代も異なるのに、
どこか底の方で静かに響き合っているような、共通の深さと圧倒的な重みを感じさせます。
『悪人』はテレビ放送で観たあと、しばらく言葉が出なかった記憶があります。
『怒り』は、沖縄に住んでいたときに劇場で観て、やはり衝撃を受けました。
そして今回、『国宝』という作品と、また違うかたちで向き合うことになりました。
不遇の時代を越えて─交差するふたりの人生

主人公・立花喜久雄(通称キクオ)は、幼い頃に父を亡くし、歌舞伎の名門・花井家に引き取られます。
そして血縁のない“外”の人間として、冷たい視線や孤独とともに、厳しい芸の世界に身を置くことになります。
やがてある日、当主・花井半二郎が舞台に立てなくなったとき、半二郎が代役に選んだのは、実の息子・俊介ではなく喜久雄。
客席で喜久雄の舞台を見ていた俊介は、いたたまれなくなり、劇場をあとにします。
しばらく距離を置いたのち、父の死をきっかけに俊介は戻り、再び舞台に立ち始めます。
そして今度は、喜久雄が大きな役を与えられない、不遇の時期が続いていきます。
ふたりの人生が交錯し、光と影が入れ替わっていく。
その流れはまさに「禍福は糾える縄のごとし」という言葉を思い起こさせるものでした。
人生には、意味のある時期とない時期があるのではなく、すべてが繋がっていて、振り返ったときにはじめてその意味に気づくものだとあらためて思いました。
揺らぎながらも、自分を見失わずに

喜久雄が常に芸事に向けて迷いなく真っすぐだったかといえば、そうではありません。
役をもらえない焦りの中で、歌舞伎界の重鎮・吾妻千五郎の娘・彰子が自分に寄せていた気持ちを、
役を得るためのきっかけとして利用してしまう・・・そんな一面も描かれていました。
それもまたひとつの“生きるかたち”だったのだと思います。
どこか苦しそうに、でも必死に、芸の世界にしがみつくようにしていた姿は、人間としての迷いや弱さを正直に映していて、心に残りました。
そこから少しずつ、自分のなかの欲や焦りを手放しながら、喜久雄は「芸と共にある」静かな道を歩むようになっていきます。
まるで、目には見えない何かと約束を交わしたように─
他のすべてを脇に置いてでも、ただ芸のそばにいることを選び取ったように見えました。
その覚悟は、語られるというより、静かににじむように描かれていて、
むしろその無言の強さに、私は胸を打たれました。
俳優たちのぶつかり合いが生む深さ
吉沢亮さん演じる喜久雄は、言葉ではなく、表情や“間”で語る演技が印象的でした。
舞台上のたたずまいは、まるで芸と一体になったかのようで、特に女形としての所作には、呼吸そのものが乗っているような美しさがあり、「憑依」という言葉がしっくりくると感じました。
横浜流星さん演じる俊介もまた、誇りと嫉妬、葛藤と尊敬が入り混じる難しい役を、抑制された深みで演じ切っていて、喜久雄との対峙は見応えがありました。
脇を固める他の俳優の方たちもそれぞれがすばらしく、作品に重みや味わいを与えている様子に時間を忘れて惹きつけられ、見入ってしまいました。
それぞれの視点、それぞれの余韻
映画を観終えてからSNSを眺めていると、感想の多様さに改めて気づかされました。
「映像が美しくて、終始見とれていた」
「舞台を生で観ているような臨場感に圧倒された」
「“イケメン俳優”の殻を破った演技に震えた」
同じ作品でも、感じ取るポイントが人によってこんなにも違う。
これは作品そのものが豊かである証拠なのだと思います。
ある人には、伝統と継承の物語。
またある人には、父と息子の関係、ライバルの絆。
そして、私にとっては・・・
どんなに報われないように見える時期があっても、自分の信じたものを手放さずに歩み続けること。
その無骨さ、静けさ、そして美しさと強さを描いた物語でした。
それでも、自分の歩幅で信じて進む
どんな人にも、評価されない時間や、道に迷うときがある。
それでも、自分の中の火を消さずに歩き続けること。
それが、やがて自分だけの道になるのかもしれません。
「禍福は糾える縄のごとし」
その言葉が表すように、人生は思い通りにはいかなくても、信じて積み重ねた日々は、必ず自分の中に何かを残してくれる。
この映画が静かに教えてくれたのは、“目に見えるもの”だけがすべてではないということ。
そして、“報われないように見える日々”こそが、後になって、自分の支えになることもあるということ。
そんなふうに感じられた175分間でした。
「突然の別れ」は、誰にとっても他人事ではありません。
だからこそ、“その時”が来る前に、できる準備を。
あなたやご家族の大切な想いを、
静かに、でも確かに未来へつなげるために─
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