税制改正要望が出そろう季節─相続・贈与、そして暗号資産課税の行方は?

堀亜砂子
堀亜砂子

想いと豊かさを未来へ繋ぐ案内人
相続対策コンサルタント
堀亜砂子です!

毎年8月末になると、各省庁から財務省や与党に向けて「税制改正要望」が提出されます。
これは「概算要求」と同じタイミングで出されるのが慣例で、財務省のホームページにも各省庁からの要望が一覧で公表される時期です。


わかりやすく言うと、

  • 概算要求=国の支出(歳出)の見積もり
  • 税制改正要望=国の収入に関わる税の仕組み・制度の見直し提案

つまり「お金の出口」と「お金の入口」が同時に示され、翌年度の国家運営の方向性が動き出すのが8月末なのです。

税制改正の一般的な流れ

7月〜8月上旬
各省庁が所管分野の業界団体や有識者からヒアリングを行い、要望をとりまとめます。

8月末(通常は8月31日)
各省庁が翌年度の「税制改正要望」を財務省主税局に提出。
この時期に財務省のHPで一覧が公表され、全体像が明らかになります。

9月〜12月

  • 政府税制調査会 … 制度全体の方向性を検討
  • 与党税制調査会(自民・公明) … 各省庁要望を取捨選択し、与党案を策定
    この間には業界団体や専門家からのヒアリングも行われます。

12月中旬
与党が「税制改正大綱」を決定。翌年度の改正の基本方針が固まります。

年明け(1月〜3月)
政府が「税制改正関連法案」を国会に提出。審議・成立を経て、翌年度から施行されます。

令和8年度(2026年度)に向けた注目分野

正式な要望一覧はこれからですが、すでに各種団体や専門家から注目されているテーマが見えてきています。

  • 相続・贈与:未成年者控除や障害者控除の拡充、生命保険金や退職金の非課税枠の見直し
  • 事業承継税制:特例制度の恒久化や要件緩和
  • 少子化対策:人的控除の拡充や給付付き税額控除の検討
  • 中小企業支援:設備投資減税や役員給与税制の見直し
  • 災害対応税制:雑損控除や繰戻し還付制度の整備
  • デジタル化支援:建設DXや生産性向上投資への優遇措置

そして近年特に注目度が高まっているのが 暗号資産(仮想通貨)課税 です。

暗号資産課税改正へ向けた動き

日本ブロックチェーン協会(一社)(代表理事:加納 裕三、以下「JBA」)は、7月18日に政府に「暗号資産に関する税制改正要望(2026年度)」を提出しました。


さらに、7月30日には暗号資産の損益計算やポートフォリオ管理を行う国内最大級のサービスであるクリプタクト(Cryptact)の運営会社pafin㈱代表の 斎藤 岳氏が税制検討部会長を務める、日本暗号資産ビジネス協会(一社)(JCBA) と、認定自主規制団体である 暗号資産取引業協会(一社)(JVCEA) が政府に『2026年度 税制改正に関する要望書』を提出しました。

「2026年度 税制改正要望概要(JCBA/JVCEA)」
(JBAウェブサイトより)

JBA、JCBA、JVCEAの各ウェブサイトでは、要望書の原文と概要、補足資料などが公開されています。

JBA公式サイト 日本ブロックチェーン協会、「暗号資産に関する税制改正要望(2026年度)」を政府に提出

JCBA公式サイト 「2026年度税制改正に関する要望書」を政府宛てに提出いたしました

JVCEA公式サイト 「2026年度税制改正に関する要望書について」


なお、昨年の令和7年度税制改正大綱で初めて「暗号資産取引の課税見直しを検討する」との記述が盛り込まれましたが、このことは制度改正に向けた大きな一歩であり、今後の改正の動向が業界でも注目されています。


こちらのブログに概要や顛末をわかりやすくまとめています👇

なぜ大切なのか?

税制改正要望は、私たちの生活や事業活動に直結する制度改正の“入口”です。


相続税や贈与税の非課税枠、事業承継税制の延長、さらには暗号資産課税のような新しい論点─これらはいずれも要望段階から始まり、与党税調や政府での議論を経て、やがて大綱や法案に結実していきます。

「まだ先の話」と思っていても、税制は毎年少しずつ姿を変えていきます。
そして、いざ改正が決まってからでは準備が間に合わないことも少なくありません。

だからこそ、“税制改正のシグナル”が出るこのタイミングから注目しておくことが大切なのです。

まとめ

相続や贈与、事業承継、少子化対策、中小企業支援、そして暗号資産課税といった幅広い分野に影響を与える「税制改正要望」。


その中身を丁寧にウォッチすることが、これからの備えや戦略の第一歩。
今年も8月末の要望提出を皮切りに、年末の大綱、そして来年の法案へとつながっていきます。


実はこのたび、地元選挙区の衆議院議員の方のお声かけで開催される、税制改正要望に関する意見交換会に参加させていただくことになりました。


これまで「結果」である大綱を見てきた立場から、今回初めて「出発点」に触れられる貴重な機会。
どんな視点や議論が交わされるのか、今からとても楽しみにしています。

今回得られる学びや気づきを糧にしながら、今後も最新情報を丁寧に追い、相続や生前対策にどう影響していくのかを、よりわかりやすくお伝えしていきたいと思います。



「突然の別れ」は、誰にとっても他人事ではありません。
だからこそ、“その時”が来る前に、できる準備を。
あなたやご家族の大切な想いを、

静かに、でも確かに未来へつなげるために─


相続や生前対策に関するご相談はお気軽にどうぞ!

イベントやお得な情報をメルマガやLINE公式からご案内しています!

「想いと豊かさを未来へ繫ぐメルマガ」
ご登録で2つのプレゼント🎁
その1「想いを繫ぐ 相続診断チェックシート」
その2「相続トラブルを防ぐ3つのステップ」

LINE公式
ご登録で動画プレゼント🎁
\知らないとヤバい!?/
「相続対策が今すぐ!必要な理由」

はじめの一歩にぜひどうぞ【note記事】
\生前対策 “はじめの一歩” /
専門家に相談する前に 家族で相続を考える「3つの質問」

※画像をクリック!


この記事を書いた人

堀 亜砂子

堀 亜砂子

税理士・相続対策コンサルタント
~想いと豊かさを未来へ繋ぐ案内人

税理士歴25年、法人・個人含め13,000件以上の相談対応。
個人事務所、ビッグ4税理士法人、外資系事業会社、国税不服審判所、
資産税系税理士法人を経て2023年独立。

将来を約束した恋人が30代で急死、
その後も尊敬する上司の急逝、実母の他界など、
大切な人が突然この世からいなくなる経験を重ねたことから
生前に想いをしっかり伝え合い
その日のためにできる限りの備えをしておくことの
大切さを多くの人に伝えるべく活動しています。