あの日の記憶を運ぶ列車──能登鉄道「震災語り部列車」に乗って

堀亜砂子
堀亜砂子

想いと豊かさを未来へ繋ぐ案内人
相続対策コンサルタント
堀亜砂子です!

先日、能登鉄道の「語り部列車」に乗る機会をいただきました。


静かに動き出す車両の中には、どこか祈りのような空気が漂っている気がしました。


能登鉄道の「語り部列車」は、穴水から七尾までの路線を走りながら、地域の語り部が沿線の歴史や文化、そして震災の記憶を語り伝える特別な列車です。途中駅には有名な和倉温泉もあります。
列車に乗って話を聞くことで、訪れる人が能登の今と昔を知り、土地に息づく記憶を共有することを目的としています。


この取り組みは、令和6年1月1日に発生した能登半島地震からの復興をきっかけとして始まりました。
震災直後、のと鉄道は全線で運休し、線路のゆがみやトンネルの土砂崩れなど各所に甚大な被害を受けましたが、それでも多くの人の力が集まり、わずか3か月余りで全線の運行を再開。



列車が再び走り出したことは、地域にとって大きな希望となったそうです。
語り部列車は、その復旧した鉄路を舞台に、能登の人々が受け継いできた想いや暮らしの姿を未来へと伝えるために生まれました。

列車内の様子(能登鉄道ウェブサイトより)

語り部が語る、能登の記憶

車内では、地元にゆかりのある三人の語り部が交代で案内を務めてくださいます。
それぞれの語りには個性があり、伝える内容も異なります。

ある語り部が、震災当時の出来事や、被災から復旧までの歩みを中心に話してくださいました。
あの日、能登で何が起こり、人々がどのように助け合いながら生活を立て直していったのか。
地域の現実としての「震災の記憶」を語り継ぐことで、乗客は能登の今をより深く理解することができます。



とはいえ、特にそのとき実際に起こったことを時間を追ってつぶさに再現されると、聞いているこちらでも緊張感と恐怖を感じてしまうほどで、言葉で再現することで再体験となり、語り部の方にとって精神的なご負担にならないことを祈るような気持ちで拝聴しました。

語り部列車では、震災・文化・鉄道という三つの視点から能登を知ることができます。
3名の方それぞれの語りは異なっていても、共通しているのは「能登の今を伝えたい」という思い。
その声を聞くこと自体が、この地の記憶を受け取る行為になっているのでしょう。

記憶を乗せて走る列車

語り部列車が走る沿線には、穏やかな海岸線や田園風景が広がり、四季折々の自然が美しく移り変わります。
その一方で、震災の影響が残る場所や、再建途中の建物も目に入ります。


語り部の話に耳を傾けながら車窓を眺めていると、この地域がどのように立ち上がってきたのか――
その歩みが、少しずつ伝わってくるように感じました。

能登の線路は、震災直後には瓦礫と土砂に埋もれていました。
作業員たちが懸命に復旧工事を進め、崩れたトンネルや橋梁がひとつひとつ修復され、2024年4月、列車は再び全線で運行を再開しました。その復旧の早さは、地域の強い結束と支援の力を象徴しています。

語り部の言葉は、観光案内ではなく、長くここに生きてきた人の実感そのものです。
地域の歴史や風土を伝える語りとともに、震災を経てなお続く人々の暮らしが、静かに描かれていると感じました。

列車のゆるやかなリズムの中で、乗客はそれぞれの語りに耳を傾け、能登の記憶と向き合う時間を過ごします。
語り部が語る言葉は、過去を振り返るためだけのものではなく、この地が今も生き続けていることを実感させてくれるものなのです。

能登を未来へつなぐために

語り部列車の取り組みは、地域の記憶や文化を後世に残すための試みとしても位置づけられています。
震災の教訓を伝えること、長く続く暮らしの知恵を伝えること、そして鉄道という生活の足を通じて人々のつながりを感じてもらうこと。そのすべてが、この列車の目的に込められています。

語り部たちは、それぞれの立場から能登を語りながら、訪れる人に「この地の今」を知ってほしいと願っています。
語りを聞いた人々が、心の中で何かを感じ、その想いを持ち帰ること。
それが、この活動の大切な成果となっていきます。

語り部列車は、能登に生きる人々の想いと記憶を乗せ、これからも走り続けます。
列車に乗ることで、旅人は「能登を知る」という体験を超え、“能登の記憶を受け取る”という時間を過ごすことができます。

終わりに

語り部列車での時間は、単なる観光とは異なる深い静けさに包まれていました。
語りを聞きながら車窓を眺めていると、能登という土地の歴史、暮らし、人のあたたかさが、少しずつ心の中に広がってきて…

震災を経験した地域が、それを語り継ぎながら未来へ進もうとする姿。
その一端に触れることで、「語ること」「聞くこと」の意味を改めて感じました。



能登鉄道の語り部列車は、過去と現在、そして未来を静かに結ぶ列車です。
この列車に乗ることは、能登の人々が守り続けてきた記憶に耳を傾け、その想いを心に刻む旅でもありました。



今回このような機会をいただけて本当によかった。



またきっと訪れたいと思います。




「突然の別れ」は、誰にとっても他人事ではありません。
だからこそ、“その時”が来る前に、できる準備を。
あなたやご家族の大切な想いを、

静かに、でも確かに未来へつなげるために─


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この記事を書いた人

堀 亜砂子

堀 亜砂子

税理士・相続対策コンサルタント
~想いと豊かさを未来へ繋ぐ案内人

税理士歴25年、法人・個人含め13,000件以上の相談対応。
個人事務所、ビッグ4税理士法人、外資系事業会社、国税不服審判所、
資産税系税理士法人を経て2023年独立。

将来を約束した恋人が30代で急死、
その後も尊敬する上司の急逝、実母の他界など、
大切な人が突然この世からいなくなる経験を重ねたことから
生前に想いをしっかり伝え合い
その日のためにできる限りの備えをしておくことの
大切さを多くの人に伝えるべく活動しています。