助けられる人生は、きっと誠実に生きた証~『一橋桐子(76)の犯罪日記』に思う

堀亜砂子
堀亜砂子

想いと豊かさを未来へ繋ぐ案内人
相続対策コンサルタント
堀亜砂子です!

最近、原田ひ香さんの小説『一橋桐子(76)の犯罪日記』をアマゾンオーディブルで聴きました。



ミステリー小説かと思いきや、まったく違って(笑)
淡々とした語りの中に、老いの現実や人のあたたかさが織り込まれていて、聴き終えたあとも長く心に残りました。



またもや後から知ったのですが、2022年にはNHKでドラマ化もされていたそうで、「終(つい)のすみかを刑務所に設定する」という発想の大胆さとユーモアが印象的。



主人公の桐子を松坂慶子さんが演じたと知ってなるほど!と思いました。

孤独と老いに向き合う76歳の“犯罪計画”

主人公の一橋桐子さんは、76歳。
かつて出版社で働いていた、几帳面で誠実な女性。



数年前までは、長年の親友・宮崎知子(トモ)と同居し、支え合うように穏やかな日々を送っていました。
けれど、そのトモを亡くし、ひとりになった桐子さんの心には、言葉にできない空白が生まれました。

「このまま一人で死んで、誰にも気づかれなかったら─」



そんな不安を抱えたとき、彼女の頭に浮かんだのは、“刑務所なら、衣食住がそろっていて、人にも囲まれている”という、
妙に理屈の通った考え。

几帳面な桐子さんは、思いつきではなく、
「どんな罪なら人を傷つけずに刑務所に入れるのか」を真剣に考え始めます。
罪を“計画”するというよりも、まるで人生の次の段取りを整えるように、淡々と道筋を探していく。
その姿がどこか可笑しくも切なく、老いと孤独を抱えながらも人としての誠実さを失わない彼女らしさが滲みてきて…



その姿がどこか可笑しく、でも胸に迫ります。
老いと孤独を真正面から描きながらも、物語全体に流れているのはどこかあたたかい人間味。
暗さよりも、人生の機微を丁寧に描く筆致が印象的です。

桐子さんは決して投げやりではなく、「自分らしい最期」を自分の手で選ぼうとする姿勢が一貫しています。
それは諦めではなく、生き方の延長線にある“覚悟”のようにも感じられました。

助けられることは、誠実に生きてきた証

物語が進むにつれ、桐子さんは思いがけない出会いや人の優しさに触れていきます。
最初は他人の世話になることに戸惑いながらも、やがてそれが「これまでどう生きてきたか」の答えそのものだと気づいていく。

「老人の死は、これまでの人生の答え合わせ。」



この言葉がやけに胸に刺さりました。

どう生きてきたか、誰と関わってきたか。
その積み重ねが、最期の時間にどんな人がそばにいてくれるかを決める。
桐子さんが多くの人に支えられるのは、彼女がまっすぐに生きてきた証拠だと思いました。

彼女が周囲から自然に助けを受けるようになっていく過程には、“誠実に生きてきた人が、最期に受け取るギフト”のような優しさがあります。



それはお金や物ではなく、人の心に残る温度。
この物語は、その温度がどんなに小さくても、人の生を豊かにしていくことを教えてくれます。

「老い」や「死」を描きながらも、この作品には不思議な明るさがあります。
人に迷惑をかけまいとする姿勢も、時に切なく、どこか愛しい。



そして読後に残るのは、「人は、誰かに助けられてこそ生きていける」という確かな実感です。

桐子さんのように、誰かを想い、真っ直ぐに日々を重ねてきた人は、たとえひとりになっても、必ず見守ってくれる人や出来事に出会う。
そのことが、きっと“人生の答え合わせ”なのだと思います。


この物語を聴きながら、私自身も、自分のまわりの人との関わりを思い返していました。
どんなに小さなやりとりでも、心を込めた時間は必ず残る。
助けられた分だけ、誰かを支える力にもなれる。



「誠実に生きること」は決して理想論ではなく、人生を豊かに終えるための、いちばん確かな道なのかもしれません。






「突然の別れ」は、誰にとっても他人事ではありません。
だからこそ、“その時”が来る前に、できる準備を。
あなたやご家族の大切な想いを、

静かに、でも確かに未来へつなげるために─


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この記事を書いた人

堀 亜砂子

堀 亜砂子

税理士・相続対策コンサルタント
~想いと豊かさを未来へ繋ぐ案内人

税理士歴25年、法人・個人含め13,000件以上の相談対応。
個人事務所、ビッグ4税理士法人、外資系事業会社、国税不服審判所、
資産税系税理士法人を経て2023年独立。

将来を約束した恋人が30代で急死、
その後も尊敬する上司の急逝、実母の他界など、
大切な人が突然この世からいなくなる経験を重ねたことから
生前に想いをしっかり伝え合い
その日のためにできる限りの備えをしておくことの
大切さを多くの人に伝えるべく活動しています。