国税当局の新システム「KSK2」から考える~お金の流れを整理する大切さ

堀亜砂子
堀亜砂子

想いと豊かさを未来へ繋ぐ案内人
相続対策コンサルタント
堀亜砂子です!

2026年9月24日、国税庁の基幹システムが新しくなります。 
「KSK2」と呼ばれる次世代システムです。
※「KSK2」という名称は公式名称ではなく、税務関連誌などで使われている通称です。

国税庁の内部システムの刷新なので、普段の生活で直接意識することはあまりないかもしれません。
ただ、この変更は単なるシステム更新というよりも、税務行政が「紙中心」から「データ中心」へと移っていく象徴的な出来事でもあります。
税理士の立場から見ても、これからの税務のあり方を考えるうえでなかなか興味深い動きだと感じています。

ちなみに、現在使われている「KSK」は国税総合管理システムの略称です。

国税(Kokuzei)
総合(Sougou)
管理(Kanri)

このローマ字の頭文字を取ったものですが、横文字のように見えて実は日本語のローマ字という少し独特な略し方になっています。

ここだけの話ですが、頭文字の意味を知ったときは正直「だっさ!」と思ってしまいました。(すみません…)
このKSKは1990年代から整備され、申告情報、納税情報、調査情報などを管理する国税庁の基幹システムとして長く使われてきました。



今回導入されるKSK2は、この仕組みを全面的に刷新する「次世代の税務情報システム」といえるもので、
背景には、税務行政のデジタル化を進めていくという国の方針があります。

国税庁でも近年、「税務行政のデジタルトランスフォーメーション」と題して、
税務手続の電子化やデータ活用を進める取組が示されています。


電子申告(e-Tax)の普及や各種の第三者情報のデータ化などにより、税務の世界では扱うデータ量が急速に増えています。こうした状況に対応するため、税務行政の基盤そのものをデータ中心の仕組みに変えていく必要があり、
その流れの中で進められているのが、今回のKSK2の導入です。

税務の世界も「データ中心」に変わっていく

今回のKSK2で大きく変わるポイントの一つが、申告書や届出書の取り扱いです。

これまで税務署に紙で提出された書類は、必要な部分だけがシステムに入力されているケースもあったそうです。
つまり、紙の書類は紙のまま保管され、システムには必要な項目だけが入力されるという形が多かったのです。

しかしKSK2では、紙で提出された書類もすべてスキャンされ、AI-OCRという技術によって読み取られ、
データとして処理される仕組みになります。
AI-OCRとは、紙の文字を画像として読み取り、文字データとして自動的に認識する技術です。
つまり、紙で提出された書類も最終的にはデータとして管理されるという形になります。

また、国税庁の中で分かれていた複数のデータベースもより一元的に管理される仕組みになると言われています。

これまで税務の情報は、

・申告の情報
・納税の情報
・調査の情報

などがそれぞれ別の形で管理されている部分もありました。

こうした情報がより統合された形で扱われるようになれば、税務行政の事務処理はさらに効率化されるでしょう。
税務署の事務処理の効率化が目的ですが、同時に税務情報の管理の仕方も少しずつ変わっていく可能性があります。

電子化とキャッシュレスの流れはさらに進む

もう一つのポイントは、電子化の流れがさらに進むことです。
KSK2の導入とあわせて、e-Taxを通じた通知なども今より大きく拡充される予定です。

税務署からの通知についても、電子的にやり取りする場面が今後は増えていくことが考えられます。

これまでも、

・申告はe-Tax
・納付はキャッシュレス
・通知は電子データ

という方向に少しずつ移行していましたが、KSK2の導入は、この流れをさらに後押しするものといえそうです。

また、納付の面でもキャッシュレス納付の利用をより広げていく方針が示されています。

すでに

・ダイレクト納付
・インターネットバンキング
・クレジットカード納付
・スマートフォン決済

など、さまざまな方法が整備されています。

税務の世界はここ数年で急速に



データ

オンライン

という方向に進んできましたが、この流れはこれからも続いていきそうです。


税務行政のオンライン化についてはこちらもご覧ください👇

相続の場面でも無関係ではない

こうしたシステムの変化は、一見すると相続とは関係のない話のように思えるかもしれません。

しかし、相続税の実務では

・生前の資金移動
・不動産の取得
・投資や資産の動き
・贈与の履歴

など、過去のお金や財産の動きが重要になる場面が少なくありません。

特に相続税の調査では、

「お金がどう動いてきたのか」
「その資金の出どころは何なのか」

といった点が焦点になることも多いです。



税務の世界がデータ中心になればなるほど、こうした情報の整合性がより重視される可能性もあります。



だからといって、何か特別なことをしないといけないわけではありません。

自分の財産の状況を把握しておくこと
お金の流れを説明できるようにしておくこと
家族とできるだけ情報を共有しておくこと

従来からあるこうした基本的な準備が、これからの時代にはますます大切になると感じています。

KSK2は国税庁の内部システムの話ですが、その背景には税務行政をデータ中心にしていくという大きな流れがあります。
制度やシステムは少しずつ変わっていきますが、大切なのはそれに振り回されることではなく、
自分の財産やお金の流れをきちんと整理しておくこと。

相続の現場でも、結局いちばん役に立つのはこうした基本的な準備なのだと感じます。

「説明できること」の大切さ

ここまで読むと、「税務の世界はどんどん厳しくなるのでは」と感じる方もいるかもしれません。
それはある意味その通りと言えるでしょう。

相続のご相談を受けていると
「何も悪いことはしていないけれど説明できる資料が残っていない」というケースが少なくありません。

例えば

・なぜこの資金移動があったのか
・この不動産はどういう経緯で取得したのか
・この贈与はいつ、どんな形で行われたのか

こうしたことが、時間が経つと当事者であっても分からなくなってしまいます。
まして相続の場合は、一方の当事者がすでにこの世にいないため、事実関係の確認は更に難しくなります。



税務がデータ中心になっていく時代だからこそ、お金や財産の動きを説明できる状態にしておくことが
これまで以上に大切になるのだと思います。

きちんとした理由があり、経緯が説明できるのであれば、それだけで安心できる場面も多いものです。

税務の制度やシステムはこれからも変わって行くでしょう。
しかし大切なのは「説明できること」、そしてそのためには、お金や財産の流れが「整理されていること」が欠かせません。

KSK2という大きなシステムの話も、突き詰めて考えてみると自分のお金の流れをきちんと整理しておくという
基本の大切さを、あらためて教えてくれているように感じます。


「突然の別れ」は、誰にとっても他人事ではありません。
だからこそ、“その時”が来る前に、できる準備を。
あなたやご家族の大切な想いを、

静かに、でも確かに未来へつなげるために─


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この記事を書いた人

堀 亜砂子

堀 亜砂子

税理士・相続対策コンサルタント
~想いと豊かさを未来へ繋ぐ案内人

税理士歴25年、法人・個人含め13,000件以上の相談対応。
個人事務所、ビッグ4税理士法人、外資系事業会社、国税不服審判所、
資産税系税理士法人を経て2023年独立。

将来を約束した恋人が30代で急死、
その後も尊敬する上司の急逝、実母の他界など、
大切な人が突然この世からいなくなる経験を重ねたことから
生前に想いをしっかり伝え合い
その日のためにできる限りの備えをしておくことの
大切さを多くの人に伝えるべく活動しています。