自分軸の終活とは?―『迷惑な終活(内館牧子)』を聴いて

堀亜砂子
堀亜砂子

想いと豊かさを未来へ繋ぐ案内人
相続対策コンサルタント
堀亜砂子です!

アマゾンオーディブルで「迷惑な終活」(内館牧子著)を聴きました。 

タイトルのインパクトどおり、「終活って、そもそも何のためにするもの?」
そんな問いを、笑いとともに投げかけてくる一冊です。

物語の中心にいるのは、年金暮らしの夫婦。
妻は世間で言われる“きちんとした終活”に熱心ですが、夫は「生きているうちに死の準備はしない」という主義。

ところが、ある出来事をきっかけに、夫は自分なりの終活を始めます。
それは家族や他人のためではなく、自分の人生にケリをつけるための終活でした。

「迷惑をかけない終活」への違和感

特に印象に残ったのは、世にいう終活の多くが「残された人に迷惑をかけないように」「揉めないように」という他人軸で語られている、という指摘です。

実は私自身、発信などで「残された家族が困らないように」という言葉を、かなりの頻度で使っています。

それはもちろん大切なことですし、今もその考えは変わりません。
でも、この作品を聴きながら、「誰かのためって、ほんとに一番たいせつ?」と、自分にツッコミを入れたくなりました。

終活=周りのために我慢すること、になってしまっていたら、確かになんだか息苦しいし、義務感でやるのもむなしい気がします。

自分の人生に、自分でケリをつける終活

心に残ったのは、「自分が人生でやり残したことをやるのが終活」という考え方です。

誰かのために整える終活ではなく、自分が納得するための終活。
自分の人生を、自分で引き受けて、自分でケリをつける終活です。

高校時代の純愛の相手に会いに行く、という展開には、正直「そこまでやる?」と思いつつ、
同時に「それもありかも」と感じました。



周囲から見たら迷惑でも、本人にとっては、どうしても必要な区切りなのだから。

おわりに

終活は、死の準備そのものではなく、どう生ききるかの問題でもあるのだと思います。

「迷惑をかけないこと」も大事。
でも、それだけを最優先にしすぎると、肝心の「自分の人生」が置き去りになってしまう。

私はもともと、「終活」という言葉があまり好きではありませんでした。
どこか人生をたたみにいくような響きがあって、その代わりに「老い支度」という言葉のほうがしっくりくると感じ、
これまで使ってきました。

けれどこの作品を聴いて、「自分の人生にケリをつける」という意味で使うなら、「終活」という言葉も悪くない、
むしろ前向きな活動という意味では「老い支度」より、よっぽどしっくりくるのかもしれない──
そんなふうに感じるようになりました。

自分が納得して人生を終えられること。
その姿が結果として、周りの人の心に何かを残すのかもしれません。
そしてたとえ何も残せなかったとしても、自分軸で生きた人生は、それだけで尊い。
私はそう思います。

相続や終活について発信する立場として、ちょっと耳の痛いところもありましたが、
だからこそ深く考えさせられた一冊でした。



「自分自身はど生き切る?」と、あらためて振り返るきっかけにもなりました。



実は私はこれまでも「終わった人」や「すぐ死ぬんだから」をはじめ、
内館牧子さんの作品をオーディブルでいくつか聴いてきました。

定年後の人生、肩書きや役割を手放したあとの戸惑い、
年を重ねる中で直面する心や人間関係の変化。
内館牧子さんは、そうしたテーマを、ユーモアと鋭い視点で描き続けてこられました。

『終わった人』
『すぐ死ぬんだから』
『今度生まれたら』
『老害の人』
『迷惑な終活』


これらの作品は、いわゆる「老後小説」「高齢者小説」と呼ばれ、いずれもベストセラーとなりました。

人生の途中で感じる空白や揺らぎ、「自分はもう終わったのかもしれない」という不安、
そして「では、どうやって人生を終えるのか」
――言い換えれば、どうすれば成仏できるのか、という問いまで。
いまの日本を生きるシニア世代のリアルな姿が、一貫して描かれてきたように思います。

そして、どの物語にも共通しているのは、年を重ねてもなお消えない「人生の空腹」。
それは同時に、まだ成仏していない、まだ終わっていない、という感覚なのかもしれません。

なお、「老害の人」についても、以前ブログを書いています。


こちらは「老害」という言葉のインパクトとは裏腹に、肩書きや役割を手放したあとの不安や、
老いと向き合う人の揺らぎを描いた物語でした。
今回の『迷惑な終活』とも、どこか地続きのテーマを感じています。


人の心に残る作品を多数世に送り出してきた内館牧子さんは、昨年12月17日、惜しまれながらこの世を去りました。
心よりご冥福をお祈りいたします。



「突然の別れ」は、誰にとっても他人事ではありません。
だからこそ、“その時”が来る前に、できる準備を。
あなたやご家族の大切な想いを、

静かに、でも確かに未来へつなげるために─


相続や生前対策に関するご相談はお気軽にどうぞ!

イベントやお得な情報をメルマガやLINE公式からご案内しています!

「想いと豊かさを未来へ繫ぐメルマガ」
今すぐ登録

「あなたにぴったりの認知症予防法タイプ診断」をどうぞ♪
プレゼントも受け取ってください🎁
その1「想いを繫ぐ 相続診断チェックシート」
その2「相続トラブルを防ぐ3つのステップ」

LINE公式
ご登録で相談料が割引になります🎁

はじめの一歩にぜひどうぞ【note記事】
\生前対策 “はじめの一歩” /
専門家に相談する前に 家族で相続を考える「3つの質問」

※画像をクリック!


この記事を書いた人

堀 亜砂子

堀 亜砂子

税理士・相続対策コンサルタント
~想いと豊かさを未来へ繋ぐ案内人

税理士歴25年、法人・個人含め13,000件以上の相談対応。
個人事務所、ビッグ4税理士法人、外資系事業会社、国税不服審判所、
資産税系税理士法人を経て2023年独立。

将来を約束した恋人が30代で急死、
その後も尊敬する上司の急逝、実母の他界など、
大切な人が突然この世からいなくなる経験を重ねたことから
生前に想いをしっかり伝え合い
その日のためにできる限りの備えをしておくことの
大切さを多くの人に伝えるべく活動しています。