最後に残す家族への贈り物:葬儀とお墓のこと、そして・・・

堀亜砂子
堀亜砂子

想いと豊かさを未来へ繋ぐ案内人
相続対策コンサルタント
堀亜砂子です!

亡き母がしてくれていた生前対策

2022年11月、

介護施設で暮らしていた母が88歳で亡くなりました。

父が亡くなってから20年以上もの間
実家で一人暮らしをしていた母は

亡くなる3年前に体調を崩して入院し
退院後は介護施設で暮らしていたのですが

体調を崩す何年も前から
時間をかけて少しずつ自分の生前整理をしていてくれました。


自分が認知症などになったり
亡くなったあと残された私たちが困らないように


母がしてくれたていたさまざまな生前対策は
主に次の3つのカテゴリに分けられます。

—————————

1.お金や財産に関すること
2.実家に関すること
3.葬儀・お墓に関することその他

—————————

1.2については以下を読んでみてくださいね♪
自分のため、家族のために今からできる財産整理の準備
実家の整理~家族に安心して引き継ぐために

(生前対策その3) 葬儀・お墓に関することその他

①【父の葬儀の際の記録保管】

父が亡くなったのは1996年、私がまだ銀行のOLで、
ちょうど税理士試験の勉強を始めたばかりのころでした。


生まれて初めて身近な人の死に直面して戸惑うばかりで…
通夜・告別式を含め葬儀関連一切を取り仕切ってくれたのは喪主である母と兄でした。

そして父の死から27年の時を経て母が亡くなり、実家の片づけをしているとき


実家の仏壇の下の引出しから
父の葬儀に関する様々な記録が綴られたファイルを見つけました。

通夜・告別式の参列者リストや
お香典返し、お布施や戒名料、法事関連の費用明細

「お父さんの葬儀のときにお世話になった方です」とメモ書きのある
葬儀社の担当の方の名刺も…

母は施設で亡くなったので
急いでかけつけたときはこれらの記録は手元になく

せっかくの備えも充分には活用できませんでしたが
いざというときの参考に…という母の想いがひしひしと伝わってきました。

②【市営墓地関連の書類保管】

①のファイルとは別に
堀家のお墓に関する様々な書類もきちんと整理されて封筒に入っていました。

お世話になっている石材店や
墓地の管理料に関する資料

墓地の名義変更手続きの方法や必要書類についての説明書など

これもまた見事なまでに綺麗にそろっていました。

墓地と石材店は
実家から電車とバスを乗り継いで2時間近くかかる高台にあるため

高齢の母にとっては
お墓参りもだんだんしんどくなって

晩年は私や兄が代わりに石材店を訪れて管理料を支払うことが多くなっていましたが

書類を綺麗に揃えてくれていたからこそ
名義変更や納骨の儀もスムーズに執り行うことができました。

③【ご近所さまリスト作成など

実家周りの物理的なことを完璧なまでに整えてくれていた母は
目に見えない繋がりについても配慮してくれていました。

例の鍵のかかる引出しの中には

お世話になったご近所の方々のお名前と住所、電話番号のリストが
実家周辺の住宅地図に色ペンでマーキングしたものとともに入っていました。

そのリストには

「家の処分が終了したら面倒でも、
永年お世話になったご近所へは最後のご挨拶よろしくお願いします」

「葬儀は家族のみで行うことと、今までお世話になったお礼を会長さんに伝えてください」

とのメモが添えられていました。

父が亡くなってから20年以上、実家で一人暮らしをしていた母は
ご近所の方との繋がりを大切にしていたからこそ

ご近所の方々にもとてもよくしていただいていたようです。


こんなに丁寧に残してくれたのに
リストにあったすべての方にはご挨拶できていませんが

片付けなどで実家を訪れるたびに声をかけていただいたりして
本当にありがたかったです。

④【母の手紙】

例の引出しには
小さな白い封筒に入った母の手紙がありました。

80歳を迎えた翌年の元旦にしたためた手紙…

そこには、兄や私への感謝の言葉とともに

自身の老いへの不安、認知症の心配、施設に入ることへの迷いなどとともに

もしものときは人工呼吸器装着や胃ろうによる栄養補給などの延命治療はしないでほしいこと

葬儀は簡素に身内だけで行ってほしいこと

などの願いが綴られ

「後始末大変でしょうが協力してやってください。
最後に皆が健康で幸せな日が送れますよう願っています」

「長い間ありがとう」

と締めくくられていました。

自分だったらここまでできるだろうか…

今更ながら母の偉大さを思い知り感謝の涙が止まりません。

まとめ

3回にわたってご紹介したさまざまな対策は
あくまでもひとつの事例に過ぎませんが


私の母のように、自分の人生の終わりを見据えて準備をしておくことは、
残された家族への最大の贈り物かもしれません。


母の残してくれたものを大切に受け止め、
相続対策コンサルタントとして、
お客様一人ひとりが安心して未来を迎えられるよう、
しっかりとサポートし、思いやりのある準備のお手伝いをさせていただくことを決意しています。


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この記事を書いた人

堀 亜砂子

堀 亜砂子

税理士・相続対策コンサルタント
~想いと豊かさを未来へ繋ぐ案内人

税理士歴24年、法人・個人含め13,000件以上の相談対応。
個人事務所、ビッグ4税理士法人、外資系事業会社、国税不服審判所、
資産税系税理士法人を経て2023年独立。

将来を約束した恋人が30代で急死、
その後も尊敬する上司の急逝、実母の他界など、
大切な人が突然この世からいなくなる経験を重ねたことから
生前に想いをしっかり伝え合い
その日のためにできる限りの備えをしておくことの
大切さを多くの人に伝えるべく活動しています。