映画「君の忘れ方」を観て ~喪失と向き合うためのヒント

堀亜砂子
堀亜砂子

想いと豊かさを未来へ繋ぐ案内人
相続対策コンサルタント
堀亜砂子です!

「君の忘れ方」という映画を観ました。


この作品は、一条真也*氏の著書『愛する人を亡くした人へ』を原案に
恋人を亡くした青年がグリーフケアに出会い、
自らの悲しみと向き合う姿を描いた物語です。

*
一条真也オフィシャルサイト「プロフィール」

大切な人を失った人にかける言葉について

物語は、突然恋人を失い深い悲しみに沈んでいた主人公・昴(すばる)が、
「月あかりの会」というグリーフケアの場に参加し、
同じく悲しみを抱える人々との交流を通じて少しずつ前に進んでいく姿を描いています。


印象的だったのは、会の代表であるグリーフケア専門士が

「『落ち込んでる姿を見たら亡くなった人が悲しむよ』
とか言われたら嫌でしょ(だからそういうことは言わないようにしている)」
と言うと


「いや、落ち込んでる姿を見たら亡くなった人は悲しむでしょ」
と昴が反論するところ

私自身、30代で恋人を亡くしたとき
周りからかけていただく言葉に過剰に反応して傷ついたり
葛藤や矛盾を感じていたことを思い出しました。


どんな言葉をかけてもらっても
以前のように元気にはなれないし
元気になんてなりたくもない、
なんならなっちゃいけない気だってする


大切な人を亡くして悲嘆に打ちひしがれている人に対しては


「元気を出して」
「がんばって」
などの言葉をかけるのは適切ではない、とよく言われますね。


「亡くなった人のためにも前を向かないと」や
「亡くなった人の分まで精一杯生きなきゃ」なども
当事者になってみたら正直しっくりきませんでした。


愛する人を失った人は、
自分の気持ちをどう受け止めてよいかわからない


当事者との関係性が薄かったり
死別を体験したことがない人ならば
深く考えることもなく慰めの言葉をかけるかもしれません


でも、愛する人を失った人のことを愛し、気遣っている人ならば
少しでも悲しみが和らぐように願いながら
どんな言葉も軽すぎる気がして何も言えなくなることもあるのだと思います。

喪失との向き合いかた

「読んでいるときに急にお話を取り上げられた」
「まっくらで何もないところに放り出された」


「月あかりの会」で少女が喪失の感情を例えて静かに語るシーンでは
思わず大きくうなづいてしまいました。


どうしてこんな残酷なことが自分や大切な人に起こったのかわからず
理不尽さにただ茫然とした若かりし日のことを思い出しました。


グリーフケアとは、喪失の悲しみに寄り添い、
その人が自分のペースで癒されていくことを支える取り組みです。


私が恋人を亡くしたのは今から20年以上も前のことで
日本ではまだグリーフケアという言葉さえほとんど知られていませんでした。


当時インターネットで「koibito-no-shi 恋人の死」というメーリングリストを見つけ
同じような体験をした若い人たちの言葉を必死に探したりしました。


自分では投稿することなくただ読むだけでしたが
「こんな経験をしているのは自分だけじゃないんだ」と知って
救われた思いがしたことを今でも覚えています。

「思い出し方がわかったとき、君をちゃんと忘れることができる」

公式サイトのメッセージ
「思い出し方がわかったとき、君をちゃんと忘れることができる」


これはとても印象的な言葉ですが
「どういうことだろう?」と
少しだけ不思議に感じました。


映画を観て
「忘れる」というのは記憶が消えることではなく、
亡くなった人とのつながりを新しい形で持つことだとわかりました。

主人公・昴が
「見えなくても近くにいてね」
「忘れても思い出すから」
とひとりつぶやくシーンは


喪失を抱える人が亡くした人との絆を再確認する瞬間のように感じました。


「思い出し方がわかる」というのは

もう目には見えないし触れることもできないその人との新しい関係性を受け入れること

たとえ物理的にそこにいなくてもつながれるようになり
新しい形で共に生きていくことなのだと私は感じました。

映画が教えてくれたこと

映画「君の忘れ方」は喪失を抱えるすべての人に寄り添い
どう向き合うかを問いかける作品です。

「時間が経ってしまうこと、忘れていくこと。その残酷さや辛ささえも肯定できたら」
と語る監督の願いが、観る者にそっと寄り添ってきます。

この映画を観て、あらためて「喪失と共に生きる」意味を深く考えさせられました。
悲しみを否定するのではなく、自分の心に寄り添いながら一歩ずつ進んでいく。


その過程で、愛する人とのつながりを慈しみ、
感謝の思いを抱き続けることができるのだと感じました。

私は、生前対策を通じてご家族が安心して未来を迎えられるお手伝いをしています。
そして相続が実際に発生した後には、私自身が大切な人を亡くした経験が、
悲しみに寄り添う支えとなることもあります。


この映画は、そうしたサポートのあり方を見つめ直すきっかけになりました。


この映画が、大切な人を亡くされた人や
その周りの人たちに届きますように…


相続や生前対策に関するご相談はお気軽にどうぞ!

イベントやお得な情報をメルマガやLINE公式からご案内しています!

「想いと豊かさを未来へ繫ぐメルマガ」
ご登録で2つのプレゼント🎁
その1「想いを繫ぐ 相続診断チェックシート」
その2「相続トラブルを防ぐ3つのステップ」

LINE公式
ご登録で動画プレゼント🎁
\知らないとヤバい!?/
「相続対策が今すぐ!必要な理由」

はじめの一歩にぜひどうぞ【note記事】
\生前対策 “はじめの一歩” /
専門家に相談する前に 家族で相続を考える「3つの質問」

※画像をクリック!


この記事を書いた人

堀 亜砂子

堀 亜砂子

税理士・相続対策コンサルタント
~想いと豊かさを未来へ繋ぐ案内人

税理士歴24年、法人・個人含め13,000件以上の相談対応。
個人事務所、ビッグ4税理士法人、外資系事業会社、国税不服審判所、
資産税系税理士法人を経て2023年独立。

将来を約束した恋人が30代で急死、
その後も尊敬する上司の急逝、実母の他界など、
大切な人が突然この世からいなくなる経験を重ねたことから
生前に想いをしっかり伝え合い
その日のためにできる限りの備えをしておくことの
大切さを多くの人に伝えるべく活動しています。