ドラマ『救命病棟24時』を観て -限りある時間と、終わらない可能性、「サヨナラとバトン」

堀亜砂子
堀亜砂子

想いと豊かさを未来へ繋ぐ案内人
相続対策コンサルタント
堀亜砂子です!

13年ぶりに復活したフジテレビの月9ドラマ『救命病棟24時』。

1999年に始まったこのシリーズは、以前から好きで観ていました。


今回は、江口洋介さん演じる進藤一生と、松嶋菜々子さん演じる小島楓が再び登場。
救命救急の現場で命と向き合う医師たちの姿が描かれています。

経験を重ねること、可能性を探し続けること

10/19放送の第2話では、若手専攻医の宮沢蓮(木戸大聖)が、経験豊富な医師たちとの判断や技術の違いに直面し、葛藤する姿が描かれていました。


そんな宮沢が、小島に自分との違いは何なのかと尋ねる場面があります。
小島は、それは経験や積み重ねてきた時間の違いだと答えます。


では、その違いを埋めるためにはどうしたらよいのか。
さらに問いかける宮沢に対して、小島は「限界と可能性」という言葉を口にしました。


このやり取りを聞きながら、いろいろなことを考えました。
どんな仕事でも、経験を積むことで初めて見えてくるものがあります。


知識として理解していることと、実際に経験して身につけたことは、必ずしも同じではありません。
一方で、経験を重ねれば、何でもわかるようになるわけでもありません。


むしろ、知れば知るほど、自分の知らないことや、できないことに気づかされることもあります。
私自身、税理士として長く仕事をしてきましたが、今でも新しいことを学び、判断に迷い、考え続ける毎日です。
これまでの経験が役に立つこともあれば、経験だけでは答えが出ないこともあります。


自分の限界を知ることは、そこで成長が止まるということではない。
その限界と向き合いながら、次の可能性を模索していく。


それは、年齢や経験年数に関係なく、ずっと続いていくものなのだと思います。

『救命病棟24時』とDREAMS COME TRUE

今回のシリーズでもう一つ注目しているのが、DREAMS COME TRUEによる主題歌『サヨナラとバトン』です。

ドリカムは1999年の第1シリーズから、すべてのシリーズで主題歌を担当してきました。

歴代の主題歌を振り返ると、

  • 1999年・第1シリーズ『朝がまた来る』
  • 2001年・第2シリーズ『いつのまに』
  • 2005年・第3シリーズ『何度でも』
  • 2009年・第4シリーズ『その先へ』
  • 2013年・第5シリーズ『さぁ鐘を鳴らせ』
  • 2026年・第6シリーズ『サヨナラとバトン』

どれもドラマの記憶と結びついた曲ですが、個人的に特に思い入れがあるのは、2005年の『何度でも』。

ドリカムの公式YouTubeチャンネルでは、2023年のコンサートで披露された歴代5曲のメドレーが公開されています。

第1シリーズから第5シリーズまでの主題歌を、放送順に約17分間で聴くことができます。

▼『救命病棟24時』再動記念・主題歌5曲メドレー(DREAMS COME TRUE公式YouTube)

2005年の『何度でも』と、当時の自分

『何度でも』が第3シリーズの主題歌として流れていた2005年は、私にとって特別な時期でした。




その3年前に、結婚を約束していた大切な人を突然亡くしています。
これから二人で歩んでいくはずだった未来が、ある日突然、失われてしまいました。
もう自分の人生は終わってしまった。そんなふうに感じたこともありました。


もちろん、その後も仕事をし、日々の生活を続けていました。
けれども、当たり前だと思っていた未来がなくなったことを、簡単に受け止められるはずもありません。


それでも、時間が流れる中で、新しい出会いがあり、新しい経験がありました。
すぐに元気になったわけでも、悲しみをすっかり乗り越えたわけでもありません。
それでも少しずつ、周りの人々の優しさに支えていただき、もう一度自分の人生を生きていこうと、這い上がりつつあった。


2005年は、私にとってそんな時期だったのです。
友人がさりげなく教えてくれて、その頃に聴いていた『何度でも』。


この曲には、何度つまずいても、もう一度立ち上がろうとする力強さがあります。
当時の自分の姿と重なるところがあったのだと思います。
だからこそ、20年以上経った今でも、私にとって特別な一曲なのです。


振り返れば、あの頃の私は、自分に何ができるのか、これからどんな人生を歩んでいけるのか、まったく見通せていませんでした。それでも、終わったと思った場所から、新しい時間が始まっていった。


今の自分から振り返ると、それも一つの「限界と可能性」だったのかもしれません。

『サヨナラとバトン』に込められたもの

そして、2026年。
再び『救命病棟24時』が始まり、新たな主題歌として生まれたのが『サヨナラとバトン』です。


その歌い出しには、

「二度と会えなくなるとは知らずに 雑なサヨナラしかしてないや」

という言葉があります。




この曲には、突然の別れへの後悔や、相手にもう一度会いたいという気持ち、そして残された自分がどう生きていくのかという葛藤が描かれています。


歌詞全体を通して読むと、「サヨナラ」と「バトン」という二つの言葉が、決して単純につながっているわけではないことが伝わってきます。

▼ DREAMS COME TRUE『サヨナラとバトン』歌詞全文(歌ネット)
https://www.uta-net.com/song/400538/




誰かと別れるとき、それが最後になるとは思っていないことの方が多いでしょう。
「またね」「じゃあね」そんな何気ない言葉を交わして、それぞれの日常に戻っていきます。


けれども、その「また」が訪れないこともある。
突然の死別を経験した私には、この歌詞がとても現実的なものとして感じられます。


ドリカムの公式サイトに掲載された『サヨナラとバトン』のライナーノーツも読みました。
そこでは、この曲が、喪失による後悔や痛み、悲しみを描きながら、最後に希望へと向かっていく構成であることが説明されています。


特に印象的だったのは、喪失を安易に癒したり、美化したりしようとしていない、という指摘でした。
大切な人を失った悲しみは、時間が経てば簡単に消えるようなものではありません。


そこにどんな意味があったのか、後からきれいに説明できるものでもないと思います。
けれども、悲しみを抱えたままでも、人は生きていくことができます。


新しい人と出会い、新しい経験をし、少しずつ違う景色を見るようになる。
『何度でも』が流れていた2005年の自分を振り返りながら、そんなことを考えました。


今回の新曲について、中村正人さんは、ドラマの歩みが進藤先生と小島先生の別れの歴史であると同時に、大切なものを受け継いでいく歴史でもあると語っています。

だからこその『サヨナラとバトン』。

「サヨナラ」は、ただ別れを意味するだけではない。

そこには、受け取ってきたものを次へとつないでいく「バトン」という側面もあるのでしょう。

自分が受け取ってきたバトン

振り返れば、自分もこれまで多くの人から、さまざまなものを受け取ってきました。
家族から、友人から、仕事で出会った人たちから。


そして、もう会うことのできない人たちからも。
2022年に亡くなった母は、生前、自分の財産や身の回りのことを丁寧に整理し、これからのことについても、手紙に想いを残してくれていました。
そこには、残される人への母なりの気遣いがありました。


相続というと、どうしても財産をどう分けるか、税金がいくらかかるかといったことに目が向きがちです。

もちろん、それらは大切なこと。

けれども、私が仕事を通じて、そして自分自身の経験を通じて大切にしたいと思っているのは、財産だけでなく、その人の想いや生き方も未来へつないでいくことです。


誰かから教えてもらったこと、大切にしていた価値観、何気なくかけてもらった言葉。
そうしたものもまた、受け取ってきたバトンなのだと思います。


そして、受け取ったものを、自分なりの形で次へとつないでいく。
私が今、こうして仕事をし、文章を書いていることにも、そんな意味があるのかもしれません。

限りある時間の中で、可能性を探し続ける

1999年の『朝がまた来る』から、2005年の『何度でも』、そして2026年の『サヨナラとバトン』へ。
同じドラマの主題歌でありながら、聴く側の私自身も、27年の間にさまざまな経験を重ねてきました。


かつては『何度でも』に、自分自身がもう一度立ち上がろうとする姿を重ねていました。
そして今、『サヨナラとバトン』を聴きながら考えるのは、これまでに受け取ってきたものと、これから誰かへ手渡していけるもののことです。


もちろん、何かを手渡すことばかりを考えて、今を生きるわけではありません。
今こそが大切で、まだまだ学びたいことも、経験したいこともあります。
思いがけない出会いや、新しい発見もあるでしょう。


人生の時間には限りがあります。
けれども、自分の限界を感じたからといって、そこで可能性までなくなるわけではありません。


これまでに積み重ねてきた時間を大切にしながら、これからの可能性も探し続けていく。
そして、受け取ってきた大切なものを、自分なりの形で未来へつないでいく。




そんなことを考えながら、これからも『救命病棟24時』を楽しみに観ていきたいと思います。







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この記事を書いた人

堀 亜砂子

堀 亜砂子

税理士・相続対策コンサルタント
~想いと豊かさを未来へ繋ぐ案内人

税理士歴26年、法人・個人含め13,000件以上の相談対応。
個人事務所、ビッグ4税理士法人、外資系事業会社、国税不服審判所、
資産税系税理士法人を経て2023年独立。

将来を約束した恋人が30代で急死、
その後も尊敬する上司の急逝、実母の他界など、
大切な人が突然この世からいなくなる経験を重ねたことから
生前に想いをしっかり伝え合い
その日のためにできる限りの備えをしておくことの
大切さを多くの人に伝えるべく活動しています。