想いと豊かさを未来へ繋ぐ案内人
相続対策コンサルタント
堀亜砂子です!
「10月から、税務署の受付が15時までになるらしい」
そんな話を聞いて、「えっ、税務署って17時までじゃなかった?」と思った方もいるかもしれません。
国税庁は、2026(令和8)年10月1日から、全国すべての税務署で、総合窓口の受付時間を原則として午前9時から午後3時までとすることを発表しています。
ただし、税務署そのものが15時に閉まるわけではありません。
今回は、10月から何が変わるのか、そして、その背景にある税務行政の変化について見てみたいと思います。
10月1日から「総合窓口」は原則9時~15時に
今回変更されるのは、税務署の「総合窓口の受付時間」です。
2026年10月1日以降は、原則 午前9時~午後3時となります。
総合窓口では、申告書・申請書などの受理、用紙の交付、納税、納税証明書の交付などが行われています。
ですから、申告書や届出書を窓口へ持参する、納税証明書を受け取る、といった目的で税務署へ行く場合には、今後はできるだけ午後3時までに行くことになります。
そして、窓口だけではありません。
国税庁は、税務署へ電話をする場合についても、急ぎの場合を除き、原則として9時~15時の受付時間内に連絡してほしいとしています。
15時を過ぎても税務署が閉まるわけではない
税務署の開庁時間は、これまでどおり午前8時30分から午後5時までです。
総合窓口の受付時間である午後3時を過ぎても、開庁時間内に来署した場合には対応するとされており、国税庁は「可能な限り受付時間内の来署」を呼びかけています。
なお、申告書等を書面で提出する場合には、これまでどおり税務署の時間外収受箱へ投函する方法もあります。
つまり、今回変わるのはあくまで総合窓口の受付時間。
「税務署が15時までになる」というわけではありません。
ちなみに「15時」と聞いて、昔、銀行に勤めていた頃のことを思い出しました。
銀行の窓口も15時に閉まるので、
「銀行って、15時に閉まったあと何してるの?」
「シャッターが閉まったら銀行員は帰っちゃうのかと思った」と言われたことがあります(笑)。
もちろん、15時になったら仕事が終わるわけではありません。
窓口が閉まってからも、その日の取引の確認や現金・伝票の照合など、むしろそこからが忙しかった記憶もあります。
なぜ、受付時間を短くするの?
今回の変更の背景にあるのが、税務行政のDX(デジタル・トランスフォーメーション)です。
国税庁は「デジタル社会の実現に向けた重点計画」などを踏まえ、「あらゆる税務手続が税務署に行かずにできる社会」
を目指しています。
そのため、e-Taxによる申告・申請、キャッシュレス納付など、税務署へ出向かなくてもできる手続を拡大してきました。
今回の受付時間の変更についても、国税庁は、こうしたオンライン手続の拡充を理由として挙げています。
つまり今回の変更は、単に「窓口を早く閉めます」という話だけではなく、
「税務署へ行って手続をする」ことを前提とした税務行政から、
「できるだけオンラインで完結する」税務行政へ
という大きな流れの中にあるものと考えたほうがよさそうです。
すでに変わってきている「税務署との付き合い方」
振り返ってみると、税務署とのやり取りは、ここ数年でずいぶん変わってきました。
象徴的だったのが、2025(令和7)年1月から始まった「収受日付印」の廃止です。
以前は、申告書や届出書などを書面で提出するとき、提出用と控えを持参し、控えにも税務署の収受日付印を押してもらうことが一般的でした。
ところが2025年1月から、税務署では申告書等の控えに収受日付印を押さない取扱いになりました。
国税庁は、この見直しについても「あらゆる税務手続が税務署に行かずにできる社会」を目指す税務行政DXの一環と説明しています。
一方、e-Taxで申告や申請を行えば、送信後にメッセージボックスへ格納される受信通知で、受付番号や受付日時などを確認することができます。
紙を持って税務署へ行き、「確かに受け取りました」というハンコを押してもらう世界から、電子データで提出し、その記録も電子的に確認する世界へ。
少しずつですが、税務手続の前提そのものが変わってきています。
それでも「税務署に行く人」はいる
もちろん、すべての人がオンライン手続に慣れているわけではありません。
スマートフォンやパソコンの操作が苦手な方もいますし、「書類を持って行って、窓口で確認しながら手続したほうが安心」という方もいらっしゃるでしょう。
特に高齢の方にとっては、「オンラインでできます」と言われても、それが必ずしも「便利」になるとは限りません。
デジタル化によって便利になる人がいる一方で、これまで窓口を頼りにしてきた人にとっては、利用できる時間が実質的に狭まることにもなります。
今回も、15時以降まったく対応しないわけではありませんが、国税庁が9時~15時の利用を求めている以上、税務署を利用する側も、これまでとは少し意識を変える必要がありそうです。
「税務署へ行く」が当たり前ではなくなる?
以前は、申告書や届出書を税務署へ持って行くことも、ごく普通にありました。
提出用と控えを用意して、控えには収受印をもらう。
税務署へ問い合わせの電話をする。
必要があれば窓口へ出向く。
そんな税務署との付き合い方を、長い間当たり前のものとしてきました。
それが今では、申告や届出の多くはe-Taxで行い、納税もキャッシュレスでできるようになっています。
そして、2025年から収受日付印がなくなり、2026年10月からは総合窓口の受付時間も原則9時~15時になります。
以前は当たり前だった「税務署へ行って手続をする」という光景も、これからは少しずつ少なくなっていくのかもしれません。
私自身、税理士として仕事をしていても、税務署へ足を運ぶ機会は以前に比べてずいぶん減りました。
便利になることは歓迎したい一方で、税務行政は、税理士やデジタル機器に慣れた人だけのものではありません。
オンラインで完結できる仕組みを整えることと同時に、それを使うことが難しい人が困らない仕組みを残していくことも大切なのではないかと思います。
税務署へ出向く予定のある方は、10月1日以降は、「総合窓口は原則9時から15時まで」
ちょっと覚えておいてくださいね。
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