うちの土地はいくらなの?~相続税に影響する「路線価」7月1日に発表

堀亜砂子
堀亜砂子

想いと豊かさを未来へ繋ぐ案内人
相続対策コンサルタント
堀亜砂子です!

「路線価(ろせんか)」という言葉、耳にしたことはありますか?


聞きなれない方もおられるかもしれませんが、
これを機に、土地の「税金上の価値」について少しだけ知ってみませんか?

路線価ってなに?

「路線価」とは、相続税や贈与税を計算するために使われる、土地の評価額の基準です。

道路に面した1㎡あたりの価格として毎年7月1日に(評価の基準日は1月1日)公表されます。
国税庁のHPでは、過去の年分も含め全国各地の「路線価」を見ることができます。


たとえば、路線価が30万円/㎡の土地が100㎡ある場合には
その土地の評価額は「30万円 × 100㎡=3,000万円」が基本となります。

※「路線価地域」と「倍率地域」
土地の評価は、都市部など路線価が定められている地域(路線価地域)では路線価を使い、
それ以外の地域(倍率地域)では、固定資産税評価額に一定の倍率をかけて計算します。

補正とは?

土地の形や使い勝手が標準的でない場合には、評価額に「補正」が加わることがあります。
(補正とは、土地の状況によって実際の使い勝手を反映させるために、評価額を調整する仕組みです。補正には評価額が低くなる場合もあれば、高くなる場合もあります。)

たとえば─

  • 奥行きが極端に短い、または長すぎる
  • 土地の形が整っていない(L字型や細長い形状など)
  • 反対に、角地や二方路といった利用しやすい土地

このようなケースでは、補正によって評価額が調整されます。
整形地(正方形や長方形に近い土地)と比べて、不整形な土地は低めに評価されることがあります。

一方で、角地や二方路線など利用しやすい条件がある場合には、評価額が高くなるケースもあります。

その結果、相続税や贈与税の負担が軽くなる場合もあれば、大きくなる場合もあるのです。

かの有名な「鳩居堂前」

話を路線価に戻しますが、東京都中央区銀座5丁目の鳩居堂(きゅうきょどう)前は、全国で最も高い路線価がつく地点として新聞やニュースなどによく登場します。

たとえば令和6年(2024年)の路線価では、鳩居堂前は1㎡あたり4,424万円。
前年から約3.6%上昇し、39年連続の全国トップとなりました。

土地の価格って、ひとつじゃない?

ところで実は、同じ土地でも「価格」(評価基準)はひとつではなく、用途や算定機関の異なる複数のものが存在するのをご存じでしょうか?

以下がいわゆる「一物五価」などと言われる、代表的な5つの「価格」です。

名称主な用途所管基準日公表時期
公示地価(公示価格)不動産取引の指標・公共補償の算定基準国土交通省1月1日3月中旬頃に公表
基準地価公示地価の補完都道府県7月1日9月下旬頃に公表
路線価
(相続税路線価)
相続税・贈与税の算定基礎国税庁1月1日7月1日に公表
固定資産税評価額固定資産税・都市計画税の算定基礎市区町村 (総務省基準)1月1日3年毎4月頃に公表
実勢価格
(いわゆる時価)
実際の取引価格(市場価格)市場(売主と買主)(常に変動)

なぜ「知っておく」ことが大切なの?

相続税がかかるかどうかは、被相続人の亡くなった時の財産の評価額によって決まります。
その中でも、土地の評価額はとくに大きなウェイトを占めます。

「うちの土地の評価額ってどれくらい?」
「相続税がかかる可能性はある?」
そんな問いを持つことが、備えの第一歩になります。

路線価を参考にしておおまかな評価額を把握しておけば、何もわからずに漠然と不安を感じているより
将来に向けた対策や話し合いが、ずっと現実的に進められるようになります。

まとめ

「路線価」は、相続税や贈与税を計算するうえで欠かせないものです。


令和6年(2024年)に1㎡あたり4,424万円だった銀座・鳩居堂前のように超高額な土地はごく一部です。
ただ、地方でも「思ったより評価額が高かった」というケースが意外と少なくありません。


また、平成27年(2015年)の税制改正で基礎控除が引き下げられて以来、相続税が身近に感じられるご家庭も増えてきています。

*「相続税の基礎控除」
相続税の計算で、課税対象となる財産から差し引ける非課税枠。【3,000万円 + 600万円×法定相続人の数】で計算される。

平成27年の改正前は【3,000万円 + 1,000万円×法定相続人の数】

「まだうちには関係ない」と思っていても、まずは“今の価値”を知ることが、備えの第一歩。

慌てる必要はありませんが、できるところから、少しずつ始めていきましょう。


「突然の別れ」は、誰にとっても他人事ではありません。
だからこそ、“その時”が来る前に、できる準備を。
あなたやご家族の大切な想いを、

静かに、でも確かに未来へつなげるために─


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この記事を書いた人

堀 亜砂子

堀 亜砂子

税理士・相続対策コンサルタント
~想いと豊かさを未来へ繋ぐ案内人

税理士歴25年、法人・個人含め13,000件以上の相談対応。
個人事務所、ビッグ4税理士法人、外資系事業会社、国税不服審判所、
資産税系税理士法人を経て2023年独立。

将来を約束した恋人が30代で急死、
その後も尊敬する上司の急逝、実母の他界など、
大切な人が突然この世からいなくなる経験を重ねたことから
生前に想いをしっかり伝え合い
その日のためにできる限りの備えをしておくことの
大切さを多くの人に伝えるべく活動しています。